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2014/09/12 Fri

ファンタ初七日を迎えて…。

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何も考えられず頭がぼんやりとしたまま、ファンタの初七日が来てしまった。

もう1週間になってしまうのかと思う。いなくなった実感が妙にない感じが苦しい。冷蔵庫や冷凍庫に仕舞い込んだ「ファンタのための食べ物」を一つ一つ処分しようと手に持つたびに涙が流れた。

時間はいつも通りに流れて、やることはいつも通りにこなして、そして夜が来る。それを何回も繰り返した。

なぜあんなに若く元気いっぱいだったファンタが死ななければならなかったのか?答えが出ない問いは永遠に続く。

ファンタの死についていろいろ考えた。

いつもとは違い他人を恨んだり呪ったりもした。公にしてあるこうした場所には到底書くことのできない罵詈雑言を並べ立てたい衝動にも駆られていた。

限界だったその日、友人が電話をくれた。愛犬を亡くした後に様子がいつもとはあまりに違ったから気にしてくれたのだ。堰を切ったようにたまりにたまっていた恨みつらみを不満の塊を吐きだした。天の助けだと思った。

たぶん多くの人が、愛犬を失った多くの人が、私と同じ感情に押し流されるのだろうと思う。私はいつもどんなに辛くて悲しい経験だとしても、それはその犬が次に同じことを繰り返さないで済むようにあえて経験を積ませてくれたのだと思うようにしてやり過ごしてきた。こんな気持ちになったのは初めてかもしれない。。。

でも今回のファンタの件では避けたい要件を避ける方法論が全く見えないことでそのやりきれない思いの行き所を見失っていた。
ファンタの存在がとてつもなく大きくて、思い返すたびになぜ?なぜ?なぜ?・・・疑問しか浮かばない。

4日の日、もう駄目だろうと覚悟した。でも5日になるとファンタは自力で立ち上がり、庭の階段を一人でおりて優雅な一瞬を過ごした。芝の匂いを嗅ぎ、木々の匂いを嗅ぎ、池の鯉を眺め、目を細めて仲間たちを眺めた。私はこの瞬間にまだ回復できるかもしれないという望みを持ち直した。
6日の朝も二口梨を食べた。朝の薬も飲めた。誰かが家に入ってきたわよとワンワンと吠えた。葉ちゃんが「ファンタさん元気になって良かったね」と笑った。私も笑った。。。でも・・・そのあと午後になってファンタは横になったまま息が荒くなっていく。

「ファンタ苦しいの?」と声をかけると舌を動かす。お水が飲みたいんだと解ってカット綿に水をたくさん含ませて1滴づつたらすとぺろぺろと舐めた。力なく尻尾を振ってくれた。まるでありがとうって言っているみたいに見えた。

一度にたくさん飲めないから湿らす程度だけど何回もそんなことを繰り返した。最初の内はそのたびに尻尾が動いたけれど、だんだん動かせなくなっていった。
「ファンタ解ってるよ、だいじょうぶだから、もう頑張らなくても大丈夫だから…」そんな言葉ばかりしか出てこない。私の動きを目で追っているのが解ったのでもう何もしないと決めてファンタを寝かせた横に座り込んだ。

夕方には体のどこも全く動かせなくなった。しばらくの間、眼だけが私の顔を見ていたけれど、いつしかその眼は動かなくなった。抱きかかえるとそこにはまるで魂の抜け殻のようにグニャグニャになる痩せ細ったたった5キロしかないファンタの体があった。呼吸は荒くなったり、まるでしていないかのように静かになったり、心臓の音は正しく打っているのにとても激しくなったりとても小さくなったりしていた。開いた眼は乾燥し始めてしまうので目薬を差してあげた。もう何の反応もなかった。こん睡状態のようにファンタの意識は無くなってしまった。。。

心臓が強い犬はこんな風になる。逆を言えばほかが悪くなければ心臓は十分機能を果たしている。それがかえって辛かった。。。

ファンタは意識が無いまま6日夜9時42分、裕貴も一緒に見守る中静かに天使になった。苦しまなかったことは本望だったけれど、逝かれてしまったショックは自分の想像を超えていた。

人はなぜ死んでしまうことがはっきりと理解できているのにこんな風にショックを受けてしまうのだろう?生き物には寿命が決まっていてそれをはるかに超えてることはできない。だけどファンタの寿命は私の中の想定ではこんなに早くはなかった。

初めて失ったポメラニアンの愛ちゃんの時に近い感情が渦巻いた。

おばあちゃんになるまで一緒にいようねと抱きしめて約束したのに、マリンみたいに長生きしようねって言ったのに、レインは13歳になれなかったのだからファンタはその分も長生きするんだよって言っていたのに…死なせてしまった。。。




ファンタの亡骸にすがって声をあげて泣いた。家族全員が家にいるときだったからみんなが次々と傍にやってきてファンタを撫ぜて偉かったねと声をかけた。裕貴がファンタの息子たちを連れてきた。ピーターはファンタの匂いを嗅いでちょっとびっくりしたような顔をしてそぉっとその場を離れた。

プラスはピーターがいるので「なんだなんだ!」と偉そうな態度で近寄ってきた。抱き寄せてファンタを見せると不思議そうな顔をして首を伸ばし「フンフン」と音が聞こえるほど鼻息を荒くして匂いを嗅いだ。そして抱かれているにもかかわらず急に暴れだし、放すといきなりグェ!!と白い泡を吐いた。ウロウロと不安そうに部屋中を歩き回り、仏壇の前に行って突然バタンと横倒しになった。顔を掻きむしってジタバタともがいた。

ピーターのような様子は多くの犬はする。たいていの犬は不安そうな顔をして遠巻きに静かにしていることが多い。もしくは遠くに離れて近づこうとはしない。
昨年亡くなったポメラニアンのノンは、仲間の亡骸の傍を離れようとせず長い間キュンキュンと泣き体をひっかいて起こそうとした。ダッシュは仲間が亡くなるたびに涙を流した。アラレは幼い時から仲間との別れを経験し、見送り犬として学習が多いせいかこういう時は必ずおとなしく行儀よくしている。うちにはたくさんの犬がいるけれど、プラスみたいなことをした犬は初めてだった。相当のショックだったのだろう。まるで大きな悲しみに翻弄される人間を見ているかのようだった。

ファンタが私に残してくれたこどもたちはピーターとプラスだけだ。女の子は1頭も残せないままだった。ダッシュと同じように他の犬とは何かちょっと違ったものを持って生まれてきたプラスの悲しみの行動を見てファンタの繊細さを完璧に受け継いでいることを彼女が亡くなることで教えてもらった。

ファンタ、ピーターとプラスを大切にするからね。あきれるほどやり続けるボール投げやDISCキャッチはファンタとはできなくなってしまったけれど、そのままそっくり受け継いだ息子たちとこれからもずっと続けていくよ。正しい体作りをして、できる限り変なものを体に入れないように心掛けて、長生きできるように頑張ってみるよ。

レインの娘として我が家に生を受け、私の過度の期待にちゃんと応え続けてくれて、沢山のシグナルを教えてくれてありがとう。君と過ごした輝く日々はマリンたちやダッシュ達を超えるほど私の中では大きかったよ。沢山の子犬の母親になってくれてありがとうね。ほかの子が産んだ子犬達の教育係をありがとう。ファンタが気に入っていた子犬は何頭か気が付いていたけれど、最後にプラスを残せてよかったよ。君たち親子は本当に仲が良くて3歳にもなるプラスは君が甘やかすからまだまだ赤ちゃんだったね。

これからはこの仔がマリン・レイン・ファンタを受け継いでいる我が家の直系の最高の犬ですと胸を張って言えるようにちゃんと育てるから心配しないでね。ピーターもプラスも超甘ったれなのは玉にきずだけど私にはそれがたまらなく嬉しいのだから、良い部分としてうまく伸ばしてあげようと思う。
ファンタとできなかったことがいくつかあるけれど、君は私の中に永遠だから、レインが送ってくれたソルトのようにファンタにそっくりな仔をいつか私の所に送ってね。そちらにはみんなもいるし、君が目の中に入れてもいいのって言っていたクララもミニーもいるから寂しくはないね。天国でもカッコイイお母さんでいてください。

今までありがとう、3か月と10日間、ほとんど食べ物が食べられないまま頑張り続けてくれてありがとう。君がいた時間はとても幸せだったよ。本当にありがとう、ファンタ、神様のもとでおいしいご飯作ってもらってお腹いっぱいお食べ。。。




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